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甲斐 健師; 樋口 真理子; 藤井 健太郎; 渡辺 立子; 横谷 明徳
International Journal of Radiation Biology, 88(12), p.928 - 932, 2012/12
被引用回数:1 パーセンタイル:12.49(Biology)We have proposed a simulation method based on the molecular dynamics to understand the role of the Auger effect with irradiation of monochromatic soft X-rays. The dynamics of the free electrons generated with the radiation damage is described by using Newton equation. The photo-absorption ionization, the elastic scattering, the electron impact ionization, and the Auger decay are considered as atomic processes for the radiation damage. Using this simulation method, there is a possibility to understand the time evolution of the DNA damage induced by the radiation in detail. In this study, we have selected a DNA of 30 base pair as the target, and we will discuss the ionization mechanism and the electron dynamics in the DNA damage with the irradiation of monochromatic soft X-rays.
藤井 健太郎; 横谷 明徳
no journal, ,
軟X線照射によりDNA薄膜に生じる分子構造変化についての情報を得るため、照射前後でDNA薄膜のX線吸収端近傍微細構造(NEXAFS)スペクトルの比較を行った。試料として仔牛胸腺DNA薄膜を用いた。実験は原子力機構専用軟X線ビームラインBL23SUにおいて行った。窒素及び酸素K殻電離領域の単色軟X線(380-760eV)を室温で照射し、照射前後でDNA薄膜のNEXAFSスペクトルの測定を行った。得られたスペクトルの差分から、照射により生じた分子構造変化について考察した結果、核酸塩基のプリンあるいはピリミジン環内の結合切断や照射による新たな生成物が生じていると予想される。
藤井 健太郎; 藤井 紳一郎*; 秋光 信佳*; 月本 光俊*; 小島 周二*
no journal, ,
リボ核酸(Ribonucleic acid, RNA)の一種であるアデノシン三リン酸(ATP)は、生体エネルギー供与物質として多様な生化学反応へエネルギーを供与している。また同時に、ATPは遺伝情報の仲介物質であるメッセンジャーRNAを合成するための基質として、さらには細胞間情報伝達物質としても働く。本研究では、SPring-8原子力機構専用軟X線ビームラインBL23SUの持つ高分解能単色X線の照射により、ATPに対する軟X線照射障害を多様な生物学的特性の観点(生体エネルギー供与,遺伝情報伝達,細胞間情報伝達)から解析した。その結果、細胞間情報伝達の一つであるATP受容体活性化能が、軟X線照射ATPでは、低下することが明らかになった。講演では、質量分析や軟X線分光により得られた分子構造との関係について議論する。
岡 壽崇; 横谷 明徳; 藤井 健太郎
no journal, ,
DNA変異の物理化学過程の解明のため、仔牛胸腺DNA薄膜のESR測定を行った。軟X線照射中のみ薄膜中に誘起される不対電子のg値2.000は、自由電子のg値2.0023よりも低いことから、観測されたESRシグナルはイオン化により生じた自由電子のものではないことがわかった。DNAのESR強度の窒素及び酸素のK殻吸収端近傍の軟X線エネルギー依存性を調べたところ、X線吸収微細構造(XANES)を反映したピークが現れた。イオン化閾値以上のエネルギーにおいてESR強度がXANES強度よりも2倍程度大きかったことから、DNAは内殻イオン化によって生成した正孔に加えて、光電子やオージェ電子の付着の結果生じるアニオンラジカルを一緒に検出しているために不対電子収率が高かったと考えられた。DNA核酸塩基のシトシンも同じようにESR強度がXANES強度よりも2倍以上大きかったことから、シトシンがDNA変異過程において電子の一時的な貯蔵庫の役割を果たしていることが推察される。
横谷 明徳; 菅谷 雄基; 藤井 健太郎; 岡 壽崇; 渡辺 立子; 甲斐 健師
no journal, ,
軟X線吸収及びその後のオージェ過程によりAPサイトが生じるかを明らかにするため、DNA分子上のAPサイト部位を認識しニックを入れるendonucleaseIV(Nfo)タンパク質をプローブとして用いてAPサイトの収率を調べた。酸素K吸収端近傍の幾つかのエネルギーを選んでプラスミドDNAに真空中で照射し、APサイト及びDNA鎖切断や塩基変異などの損傷を定量した。その結果、総損傷収率に占めるAPサイト収率は15%以下と他の損傷に比べて大きくはなかった。APサイトは生体環境中ではDNAを取り囲む水の層に生じたOHラジカルとの反応によっておもに生じると考えられる。